|
|||||||
ブルックナー:交響曲 第4番「ロマンティック」 パウル・ヴァン・ケンペン指揮 オランダ放送PO |
ケンペンの演奏に駄作はないが、レコードが少なくその名前も忘れられようとしているのは残念である。一分の隙も無く組み立てられた構築的なこのブルックナーのシンフォニーも、ケンペンの手にかかると音符のひとつ一つに意識が与えられ、豊かで暖かみを帯びた味わいのある音楽となって姿を見せ始める。透明なバスの動きにもケンペンの特長があり、そのためブルックナーの意表をついたキー・チェンジをはっきり感じることができる。ケンペンの演奏をじっくり聴くと、これほど後味のよい印象を与える演奏はないと感じるだろう。 |